グレーゾーンの子どもにとって、診断を受けることの意味とは
最近いただいたご質問について書きます。
他のおうちの方でも、同じように悩んでいる方がいて、きっと参考になるのではと思います。
「いわゆるグレーゾーンと言われる子どもにとって、診断を受けることの意味とは」
以下の回答は、やまと療育教育推進プロジェクトのメンバーそれぞれが出した回答を合わせたものです。
『周囲の理解や助けが得られる環境であれば、無理に診断を受けなくても良いけれど、診断がないと対応してくれないケースでは診断があった方が良いと思います。
それ以外にご両親や本人の困り感にどの程度、《自分たち自身で対応できるか》によっても変わってきます。
自宅や幼稚園(保育園)での失敗から学び取れ(対策ができる)、Aくんも周囲も困っていないのなら診断は不要という印象です。
診断を受けるのは、その後の理解を受けるため、その後の支援を得るためにあると思います。
Aくんの特性を理解した上で、それでいいと認めていくこと、その部分に支援をしていくことが大事だと思います。 そのための診断だと思います。
診断がつくことよりも、周囲の理解や必要な支援が得られず、失敗や叱責を重ねて自己肯定感が下がっていけば、鬱や不登校、引きこもりに繋がり、その方がAくんの育ちにとって良くないと考えます。
診断書は水戸黄門の印籠みたいに、必要なときに出せばいいので、周りに理解されなくて困ったときに上手に使えば良いと思っています。
周囲の理解が得られているのなら、診断を周囲に伝える必要はないし、もし理解が得られないのであれば、幼稚園でも学校でも就職でも、Aくんが困らずに必要な支援を受け、Aくんらしく生きるために出すということだと思います。
お子さんのご家族や幼稚園、保育園など、そのお子さんに関わる人や環境にもよるので、一概にどうするのがいいとは言えません。
ただ、ご家庭と集団生活では刺激や環境の違いから、お子さんの困り感が違うと思います。
家庭以外の場においても、お子さんの属する環境での困り感がどんなことでどの程度のものなのか、おうちの方が先生とお話しして聞いたり、お子さんの様子を見たりして理解し、必要なら診断を受け、環境を調整したり、支援が得られたりするようにすることが大切だと思います。』
また、2019年6月24日号のAERAの発達障害特集では、発達障害に詳しいあきやま子どもクリニックの秋山千枝子医師がこのようにお話されていました。
「診断名がつくかどうかにかかわらず、本来は親御さんが育てにくさを感じた時点で支援を開始してほしい。」
現状で、お子さんについての理解やお子さんの困り感が解消されるような環境や支援が得られているかどうかが一つの判断基準になるのではないでしょうか。
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